高卒で早期退職してしまう「5種類の理由」と「成功者との就活の差」

この記事では、「3年以内の早期退職者」と「3年以上続けられている就職成功者」の差をまとめました。

  • 早期退職する5種類の理由・・・「仕事」「待遇」「相性」「将来性」「個人的都合」
  • 入社後の「リアリティショック」・・・社会人の人間関係/学校より長い労働時間に、2.6倍がギャップを感じた
  • 就職成功者との活動差・・・企業選定の条件が多い、インターンシップ参加数が多い、就職へのモチベが高い、就職後のことまで考えていた

以下のグラフに少しでも興味が出たら、ご一読頂けたら嬉しいです。

私は大学/IT専門学校の先生です。大学での研究、専門学校での授業をしつつ、資格講座で工業/農業高校へ出向もしています。

5種類の退職理由

早期退職した方のアンケートを分析すると、5つのカテゴリーがあると分かりました。

  • 仕事内容への不満・・・働き甲斐がない
  • 待遇への不満・・・お金が少なく、負荷が大きい
  • 相性が悪い・・・社員/社風に合わない
  • 将来性へ不安・・・定年まで安定できなさそう
  • 個人的な事情・・・体調不良/結婚や親の介護など

どの理由も「分かるなぁ」と共感しつつ「誰しも思ってるなぁ」とも思います。次節では「なぜ退職するまで気持ちが大きくなってしまったか」を探ります。

すぐ辞める理由は「リアリティショック」

就職も学校と同じで、「入らないと分からないこと」が沢山あります。

「悪い意味」でのギャップを感じた「早期退職者」は、「就職成功者」の2.6倍も多い。

入社後の「悪い意味でのギャップ」が大きいほど、早期退職に繋がります。会社は学校と違って「働く仲間」「歳の差の大きい仲間」の集まり。学生時代との差が大きく/長く、もたれかかってきます。

「リアリティショック」とは、就活時には「いいなぁ」と思っていたけど、入社してから「思ったのと違った」というギャップ。

早期退職者が「リアリティショック」を受けたのは「人間関係」「労働時間」が極端に多いことが分かりました。「学生とは違うオトナの人間関係/歳の差に疲れた…」「もっと楽な仕事/プライベートと両立できると思っていたのに…」など、入社前/後や・学生時代との差が重い…。

企業側も「リアリティショック」は問題視してて、「メンター(先輩社員が助言)」「1on1ミーティング(上司が聞き取りする)」制度を設け、新入社員が仕事/会社に馴染めるよう努力はしてはいるんですが…。難しいですよね。

就職は高校入学とは違います。先が20年も40年もありますからね。中学や高校で感じた新環境への戸惑いが、会社だと「大きく」「長く」続いてしまいます。

次節では、少しでも「リアリティショック」を失くし、長く続けられる「就職成功者」になるポイントを探ります。

高卒就職で後悔しないために

「就職3年以内の早期退職者」と「続けられている就職成功者」の就職活動に、明確な差が見受けられました。

企業の条件をしっかり考えていた

「就職成功者」は「早期退職者」よりも多くの視点で企業を選んでいます。

「勤務地」「仕事内容」は誰でも気にするのは当たり前。「就職成功者」は、更に細かく多くのポイントまで見て「志望する動機」を強めています。下図の赤線が大きく比率が違う項目。

  • 働き慣れたら気になってくる点・・・給与、福利厚生、年間休日日数
  • 会社に自分の未来があるか・・・会社規模、キャリアプラン、会社の考え方、先輩の働き方

就職後に気になってくる点まで、少しでも考えていたのがスゴイですね。

例えば「給与」。たしかに給料が1万円違うだけで、年間12万円、10年で120万円。40年で480万円違います。5,000円でも、年間6万円。でかい。

初めての就職。就活時には「早く内定して安心したい」「みんな就職してる」と焦ってた面もあったはず。給与や会社規模を気にする余裕もなかった。「お金は、アルバイトよりもらえれば良いや」「中小企業でも自宅から通えるのが得」と思いますもん。まさか「後になって気にする」なんて思いもしなかった…。

ギャップ埋めはインターンシップ

「リアリティショック」を少しでも埋めるには、インターンシップが効果的。

「早期退職者」よりも「就職成功者」は1社だけ多く参加しています。1社が大きな差になりました。

グラフの通り「就職成功者」は「早期退職者」より+1社多く参加しています。

  • 0社:早期退職者の23%て、これは「自業自得」では?
  • 1社:高校で「強制的」に行ったのでしょう
  • 2社:就職成功者のピーク!「熱意」/「真剣さ」の表れ!

参加社数を+1社にするだけで、早期退職を回避できるなんて安いもん。問題外なのは参加0社の人たち。「仕事とは」「会社とは」を全く知らずに就職。一生の問題なのに、いいのかな…。

私のIT専門学校クラスでは

が担任しているクラスでは、1社(オンライン2社、オフライン現地1社)と目標を提示しています。クラス全員が1社以上に必ず参加しています。0社だけは絶対に阻止します。自分が思っているより+1社行きましょう。あと1歩が大きな差。

就職に対する姿勢が違う

就職に対する姿勢でも差がありました。

「就職成功者」は「就職したい思い」「働き続けるモチベ」が強かったのが分かります。

  • 進学したくない・・・「早く働いてお金を稼ぎたい」強い思い。
  • 就きたい職業アリ・・・やってみたかった職業なのは「続ける原動力」に。
  • 目標がある・・・上と同じ。スキルアップは仕事に「遣り甲斐」を。

特に「進学したくない」が意外でしたね。

早期退職者の「進学したくない」が低い理由

大学に不合格になったり、専門学校に行くお金がなかったりしたと思われます。いわゆる「不本意就職」で「進学したかったけど、できずに就職するしかなかった」。

たしかに学歴は一生もの。お金を少しでも貯めて、通信制大学や専門学校入学を考えても良いかもです。私の専門学校でも、新入生の20%は社会人経験者です。

就職後のことも知っておきたかった

自分の就活を振り返った反省点で、早期退職者が顕著だったのは2つ。

  • 就職後のこと・・・「就職後のことを、もっと知っておきたかった」
  • 就職活動について・・・「就職活動の流れを、もっと教えて欲しかった」

就職サポートは履歴書の書き方/面接練習など入社前のことで手一杯。なかなか就職後のことまで頭が回りません。「給与の小さな差」が積み上がること、「完全でない週休2日制」があるなんて、知ってましたか?

また「自分が向いている職業」「社会にある職業」の知識。工業/農業/商業高校が多いので、就職業界も専門に偏ります。就職してから「そんな業界/職業があったんだぁ」と知ってしまって後悔に。もう少し広い視野で就活を考えておきたかったと。

就活は高校受験とは違います。高校は3年未来なまでの選択。就職は20年や40年の「一生の選択」です。初めて家を建てるのと同じで、なかなか初めて成功するのは難しい。だからこそ、真剣に取り組み・色んな人に相談し、色んな角度から「働き続けられる選択/仕組み化」をするのが大事だと分かりました。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございました!

高校生の方へ

インターンシップに「あと+1社」だけ行ってみてください。就活サイトで探して、学校の先生に相談して下さいね。私の専門学校でもそうしてます。マイナビさんリクナビさんは必須、差をつけたいなら「いい就職ドットコム」「キャリch」をお薦めします。

高卒社会人の方へ

もし「ちょっと今の仕事は…」と思う点があるなら、就活と仕事を振り返って「次のステップ」を考える時期なのかも。とはいえ、もう学校の先生みたいにサポートする人はいません。転職には「転職ならではの常識/ノウハウ」があります。「情報源/相談役」としてエージェントさんを検討しても良いかと。「高卒の就活」を超えた「独り就活」ができますか? 私は2023年から「ウズキャリ」をお薦めしています(別ブログの記事)。

就活をする回数なんて人生で1~2回です。たった1~2回で数十年の人生が決まります。自分の人生だから自分で判断するのは勿論、先輩やプロの意見を聞くこと自体も「自分の判断」。

未来の自分から「お前が、あの時ちゃんとしとけば…」と恨まれないように、未来の自分のためにしっかり活動をしてあげたいですね。

このブログでは、大学/専門学校の就職指導の経験から「専門卒/大卒に負けない就活/人生」ができるような記事を書いていきます。気が向いたら、また来てくれたら嬉しいです。でわでわ。

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